手術室へ向かうまで 

からだ・こころ
_入稿_元

逃れられない怖さ

手術前日から入院、この日は姉に同行してもらい入院手続きをした。

付き添いの人は病室に入れないと言われ、姉は手続き終了後すぐ帰宅。

手術は午後1時の予定で明日また、手術時間前に来てもらうことになっていた。

病室は2人部屋だが、入院は私のみなので、気楽ではあるが、広い病室に一人は少し怖さもあった。

事前に看護師さんが病室にきて、予定時間が少し遅れますと伝えてくれたので、姉にも連絡し、遅くて大丈夫だからと連絡した。

1時間が経過、すでに姉は病院には着いてはいたが、病室には入れないので会うこともできず、私は病室でひたすらひとり待った。

手術前は絶食だった。

お腹は空いているはずなのに、それすら感じないほどだった。 

手術の予定時間は過ぎていた。

「もう少しお待ちください。」

その言葉を聞くたびに、恐怖だけが少しずつ大きくなっていく。

麻酔も初めて。
手術室に入るのも初めて。

何が起こるのか分からないまま、ただ待つしかなかった。

あの時間は、不思議なくらい長く感じた。

看護師が病室に呼びに来られ、いよいよだ。

その時、ふと・・・。

「死刑を宣告された人も、執行の日を待つ間は、こんな気持ちなのだろうか……。」

こんなことを考えながら、歩いてエレベーターを昇って手術室まで行った。

もちろん、状況はまったく違う。

それでも、あの時は、その気持ちを表す言葉が、それしか見つからなかった。

「逃れられない怖さ」。

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